将棋サロンで3面指しをする高田明浩さん(左)=6月24日、各務原市三ツ池町、コミュニティ炉畑

 今年の6月24日、私は、連載第18回でご紹介した地元の将棋サロンへ、息子の明浩と行きました。息子は、2年前、プロ入りの報告で訪れて以来のことです。

 まず、息子の沖縄旅行のお土産を、皆さんに渡しました。その後、記念撮影をし、息子は、3面指しで皆さんと対局しました。

 息子も皆さんも、とても楽しそうでした。私をいつも指導してくれている笹辺勝蔵代表は、果敢に攻めましたが、息子に丁寧に受けられ、「やっぱり強いなあ」と話していました。

 師範の臼井直八先生は、息子に「角落ちでお願いします」と一礼して対局しました。プロになった息子に敬意を払ってのことだと思います。臼井先生の人間性の高さを感じ、目頭が熱くなりました。小学生の時、このような先生に息子が学べたことは、とてもありがたいことだったなと感じました。

 息子は、将棋サロンの終了時間が来るまで皆さんと対局して、帰宅しました。家に戻ると、開口一番、「みんな、すごく強くなっていて驚いたよ」と話しました。

 将棋サロンの皆さんは、息子が通っていたときよりも随分レベルアップしていたそうです。「岐阜県の大会で優勝しても不思議ではない」と話していました。そして、「ずっとやってるから、強くなったんやなあ。すごいことやなあ。94歳の方も、定跡をしっかり勉強していて、ほんまにビックリしたよ」と、非常に感心した様子でした。

 将棋サロンは、70代、80代の方がほとんどです。将棋は、集中力はもちろん、思考力も暗記力も必要とされる、難しいゲームです。そんな難しい将棋を、皆さんが楽しく続けるだけでなく、大きくレベルアップしていることは、本当に驚くべきことだと思います。

 私の教室でも、たくさん大人の方が学ばれています。大人になってからも勉強しようという皆さんの熱意には、いつも、頭が下がります。意欲的な方ばかりなので、子ども以上に上達も速いです。

 「継続は力なり」といわれます。その言葉通り、どんな分野でも、年齢がいくつであろうと、継続して取り組めば、必ず上達するのだと思います。何かに打ち込んでいる皆さんの姿は、若々しく輝いていて、元気を与えられます。

 私自身、50代に突入し、肉体的な衰えを感じることが多いですが、皆さんの姿を目標にして、毎日を過ごしていけたらと感じています。

=出会い編おわり=

(「文聞分」主宰・高田浩史)