-業界の展望は。

 デジタル化の波を受けて、ペーパーを中心とした印刷業界はシュリンクしています。コロナ禍では紙から非接触型のデジタルメディアへ置き換えが加速し、カーボンニュートラルの流れもあります。しかし当社はペーパーメディアに限らず、デジタルメディアやイベントなど幅広く事業を展開しています。特に10年前から収益構造を変えるために取り組んできた5事業が、ようやく花開いてきたところです。

 -具体的にはどんな事業ですか。

 個人情報を扱うIPS(情報処理サービス)事業、化粧品・医薬部外品などの包装や販促ツールを企画・製造するパッケージ事業、セットアセンブリからデリバリーまで包括するBPO事業、企業のIR資料作成などのコーポレートコミュニケーション事業、デジタルサービスを提案するICT(情報通信技術)事業です。先輩方が商業印刷の先を見据えて取り組んでくれたおかげです。これらのアクションがあり、サンメッセ単体はこの2年、売上高を伸ばし過去最高を更新しています。

 -来年90周年を迎えます。

 2035年の100周年を明るく迎えるため、「印刷を、超える。」を掲げ、100周年への助走として90周年事業をスタートし、そこでまいた種から10年後、花を咲かせたいです。世の中では脱印刷という言葉も聞きますが、印刷は守ります。当社は情報加工産業として、いろんな情報をペーパーメディアで伝えてきましたが、これからはコミュニケーションで価値創造を目指します。デジタル時代になろうと人と人のコミュニケーションに喜びや感動、価値があります。そのため新事業の開発に挑み、その時、そこにわれわれがいたいです。また次代を担う人財の育成プログラムを実施します。そして事業ポートフォリオを明確にし、ステークホルダーの皆さんにサンメッセが変わっている姿を伝えたいと思っています。