フィリピン出身で、岐阜市などで在日フィリピン人支援に取り組む大野えりなさん(64)。1980年、母国で出会った日本人の夫との結婚を機に来日した。日本語の勉強を始め、子ども2人を連れて米国の大学院にも留学。現在は主に通訳者として電話での医療通訳などで活躍している。

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 語学力を生かして2008年に立ち上げたのが「ASFIL GIFU(アスフィル・ギフ)」だ。当初は在大阪フィリピン総領事館の出張サービスの受け入れ団体だったが、後に日本語が分からない在日フィリピン人のための情報発信が中心となった。多くがカトリック教徒であることから岐阜市内の教会で開かれるミサの場で、ごみのルールなど行政サービスに関する情報をタガログ語で紹介している。

 「フィリピン人がもっと地域に溶け込むことができないか」。そう考え市国際交流協会に相談したところ、19年の徹明地域の体育祭に大野さんらフィリピン人グループも初めて参加することになった。ダンスを披露すると自然と日本人住民も加わり、踊りの輪が広がった。

 運動会後には「今度は盆踊りも一緒にやろう」と自治会からうれしい声も上がり、「共に楽しい時間を過ごせば、文化の壁を越えて分かり合える」と手応えを得たが、20年の新型コロナウイルス感染拡大で予定は全て白紙に。市内の教会ではミサも休止となり、感染状況やワクチン接種手続きなどの情報が浸透しているのか不安視している。

 苦しい状況が続くが、県との情報交換の場で意見を述べ危機感を伝えられたらと考えている。「来年はほかの外国人グループと一緒に運動会に参加したい」。そう願い、地道な活動を続ける。