創部100周年を迎える高校野球の名門・県岐阜商の新ユニホームが出来上がり、4月13日から開幕する春季県大会でお披露目する。春夏4度優勝した戦前の〝復刻調〟で、字体と基調色を踏襲しながら、現代にマッチする機能性を兼ね備えた新ユニホームでメモリアルイヤーの夏に向け、始動した。

復刻調の100周年ユニホームを着る垣津吏統(左)と加納朋季=県岐阜商高

 同校のユニホームは2018年に就任した鍛治舎巧監督が新たな伝統を―と、19年春季東海大会から、校旗に使われているロイヤルブルーと山吹色の鮮やかで斬新なユニホームに全面刷新。4度(うち1度はコロナ中止のため交流試合)甲子園で躍動したが、100周年にちなみ、再び刷新した。

腕に校章、優勝回数の4本ラインのストッキング

 新ユニホームは白地にローマ字で「GIFUSHO」の胸文字はおなじみだが、戦後、紺色に変わったアンダーシャツを戦前の白色に戻した。胸文字はロイヤルブルーに黒の縁取りで 文字が大きくなるよう、アーチ状にした。左肩には金色にロイヤルブルーで縁取った校章を付け、右肩は何もなしとした。ストッキングは戦前は紺色だったが、白色にし、紺色で優勝回数を表す4本のラインを施した。帽子もロイヤルブルーにし、銀色で「G」の復古調。打撃用ヘルメットとスパイクは酷暑対策で、これまでになかった白色にし、ユニホームなどの素材も通気性を考慮した現代版だ。

1936年選手権で優勝旗を手にする戦前ユニホーム姿の松井栄造主将=甲子園球場

 復刻調にした理由を鍛治舎監督は「大きな歴史の節目。歴代のOBや県内ファンの思いのこもった歴史を振り返って原点に立ち返り、次の100年に向けての新たな出発点にしたい」と思いを語る。主将の垣津吏統は「OBと同じデザインでうれしく思う。このユニホームで甲子園で優勝する」、主軸の加納朋季も「新たな気持ちで100周年の夏に挑みたい」と気持ちを高ぶらせ、飛躍を誓った。

復刻調の100周年ユニホーム(左)と現在のユニホーム

 来年以降も新ユニホームを踏襲するかどうかは未定だが、100周年ナインが今夏目指すのはもちろん、ストッキングに5本目のラインを刻むことだ。
(デジタル戦略室・森嶋哲也)