放射線治療医 田中修氏

 今回は放射線治療の基本的な情報についてQ&A形式でお伝えしたいと思います。

 Q 放射線治療はどのようながんに使用されますか。

 A 放射線治療は、ほぼあらゆるがんの治療に使用されます。特に、腫瘍が特定の部位に局在しており手術が困難な場合や、手術後の補助療法として使用されることがあります。そのため白血病などの全身疾患にはあまり使われない治療方法です(一部白血病の骨髄移植に使われることがあります)。

 Q 放射線治療の副作用はありますか。

 A 放射線治療にはいくつかの一般的な副作用があります。これには、疲労感、皮膚の赤みやかぶれ、食欲不振、吐き気、下痢や便秘などが含まれます。ただし、これらの副作用は患者や治療の種類によって異なり、全く副作用がない人もいます。

 Q 放射線治療の期間や効果はどのくらいですか。

 A 治療の期間は、がんの種類やステージ、治療計画によって異なります。通常、放射線治療は根治を目指すなら1週間から2カ月ぐらいにわたって行われます。基本的に治療は毎日通院(1日30分程度)が必要です。

 ちなみに当院では完全予約制のため待ち時間がほとんどないのが特徴です。当院に至っては早期の肺がん、肝臓がんなら超高精度放射線治療を用いることで4日で根治させることができ、副作用もほとんど起こさない治療方法が可能です(体幹部定位放射線治療)。ただし、がんの場所によってはできない場合もあるため当院へのお問い合わせを前もってお願いしております。

 一方で緩和照射(症状を和らげる)の場合、当院では骨転移の痛みなら、日帰り30分で治療することが可能です(入院不要のため在宅、施設にいても簡単に治療が受けられます)。8割の患者さんは痛みが軽減されます。痛みが減れば、痛み止めの薬の量が減ります。痛み止めの量が減れば、痛み止めの副作用も大幅に軽減できます。

 Q 放射線治療は安全ですか。

 A 放射線治療は、適切に訓練された医療専門家によって行われる限り、安全な治療法です。放射線技術の進歩により、正確性と安全性が向上しています。

 Q 放射線治療の成功率はどのくらいですか。

 A 放射線治療の成功率は、がんの種類やステージ、患者の健康状態などによって異なります。早期であれば体幹部放射線治療などで根治も目指せます。また放射線治療はがんの症状を緩和し、がんの進行を遅らせることができます。「がんになったら放射線治療についてまず聞く」を念頭に置いて、主治医と相談しながら適切な放射線治療を受けましょう。