春季岐阜県高校野球大会は27、29日に長良川球場などで準決勝、決勝、3位決定戦を行い、決勝は県岐阜商が市岐阜商に3―1で競り勝ち、2年連続24度目の優勝、3位決定戦は岐阜第一が関商工を8―1で下した。岐阜大会第1シードとなった4強は、夏に向け、実り多き大会となった。

県岐阜商×市岐阜商=5回表、初登板ながら気迫に満ちたピッチングをみせる県岐阜商の近藤朝日=長良川球場

◇県岐阜商、接戦の強さに成長の証 根幹は森、池田、近藤の投手陣の進化

 秋、県決勝、東海で競り合いで屈した県岐阜商。低反発バット時代でより重要性を増す接戦での強さに確実な進化を証明した創部100年チーム。根幹は何と言っても投手陣のグレードアップだ。今春はエース森厳徳頼みから二本柱として池田諒真が台頭し、準決勝まで2人の継投で接戦を勝ち抜いたが、決勝でさらに右サイド近藤朝日が加わった。県大会初登板の決勝で四回から3回を無安打無失点。先発池田と抑えの森の間をつなぎ、強力な武器であることを証明した。

 近藤は昨秋の東海大会後にひじを故障。冬場も通して紅白戦形式のシート打撃を行うチームで実戦登板を始めたのが3月に入ってからだが、練習試合で実績を残し、決勝は満を持しての登板だった。0―1の四回、「いつも通り、いつも通り」と鍛治舎巧監督から何度も声を掛けてもらい、空振り三振でスタート。前打席で右翼ソロの4番足立義虎には結果、四球になったが、自己最速タイの136キロをマークし「インコースの直球、スライダーをきっちり投げ切れた」と勢いに乗った。逆転後の五回、四球の走者に盗塁と二塁悪送球で一気に三塁まで進まれたが、三振、二ゴロに仕留めて...