秋季東濃地区大会準決勝
中京4―0多治見工
土岐商12―5中津

 主砲の一発、切り込み隊長の足攻、そして盤石の継投。中京が今夏から野手全員入れ替わったにもかかわらず、藤本イズムがさく裂し、4―0で難敵多治見工を退け、東濃地区1位決定戦に進んだ。藤本貴久監督は「まだまだスタートしたばかりで手探り状態」と語りながらも「いいところが出た」と発展途上の新チームを評価した。

■下田の一発で扉を開き、林の足攻で試合を決める

 序盤から、多治見工の先発武知然の変化球に苦しめられた。

 タイミングを崩され、内野ゴロの山を築く。二回にチーム初安打の中嶋悠輝が二盗、三盗と連続で決めチャンスを広げるが無得点。四回には二つの敵失と四球で満塁にするが本塁が遠い。

 沈滞したムードを一気に振り払ったのが、主砲下田健太の一撃だった。

 六回1死、「低めの変化球はすべて捨てて、ベルトより上の球を狙い打て」との藤本監督の指示を胸に刻み込んで3度目の打席に向かった下田。狙い通りの内角、ど真ん中のストレートを強振。完璧な当たりは左翼席に飛び込む値千金の先制ソロとなった。「4番の役割が果たせた」と下田は語る。

中京×多治見工=6回裏中京1死、4番下田健太が左翼へ先制ソロを放つ=土岐市総合運動公園

 それでもまだ1点、ゲームの行方を決したのが、藤本監督が「伝統の復活」と語り、今春の就任以来磨き続けてきた機動力。具現化したのが俊足トップバッターの林優雅だ。...