普段は伊豆半島を走っている豪華観光列車がこの秋、岐阜駅にやってきます。東急とJR東海は11、12月に、豪華観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」を東海道線沿いの岐阜、愛知、静岡県を周遊するルートで運行します。横浜駅発の3泊4日コースを6回計画。初回は、岐阜県美濃市か岐阜市での宿泊が含まれます。なぜ岐阜に? その理由は清流や豊かな歴史にありました。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

「ザ・ロイヤルエクスプレス」の外観(提供:東急)

どんな電車?

「ザ・ロイヤルエクスプレス」の6号車車内(提供:東急)

 「ザ・ロイヤルエクスプレス」は2017年に運行を開始。伊豆半島を走る伊豆急の8両編成の電車を、デザイナーの水戸岡鋭治さんのデザインで改装。伊豆半島だけでなく、北海道や四国・瀬戸内海沿いでも走ったことがあります。

 過去のツアーでは、日程にもよりますが、定員を超える応募があったそう。主な客層は70代前後。首都圏の人が多いものの、幅広い年代の人が各地から参加しているといいます。インバウンド(訪日客)も徐々に増えているようです。

どんな行程?

「東海道・富士クルーズトレイン」のメインビジュアル(提供:東急)

 今回発表されたルートは、11月7日から12月22日にかけて計6回行われます。旅行代金は、2人1室で1人当たり82万~89万円。募集人数は1回あたり26人。申し込みは7月31日まで専用サイトか郵送で受け付け、抽選での販売となります。

 いずれも横浜駅を金曜日に出発します。初日は静岡市で宿泊。

 2日目は静岡駅から岐阜駅まで。駅からの移動は、いずれも専用バス。初回の11月7日出発分では、美濃市か岐阜市で宿泊。美濃市では「うだつの上がる町並み」の中にある宿泊施設、岐阜市では長良川沿いにあるホテルのいずれかで宿泊します。それ以外の5回の宿泊は木曽川を挟んだ愛知県犬山市です。

 3日目は岐阜駅から鷲津駅(静岡県)へ向かい、浜名湖畔のホテルで宿泊。最終日は浜松駅から横浜駅へ向かいます。

「ザ・ロイヤルエクスプレス」の新たな旅行プランを発表する関係者ら=6月30日、名古屋市内

 各日とも、列車内で昼食となります。いずれも、沿線の食材を生かした名店の料理を提供。車窓からは富士山など東海道線沿いの景色を楽しめます。

 JR東海と東急による「ザ・ロイヤルエクスプレス」の運行は、昨年秋から始まりました。これまでは静岡県内を巡るルート。今回新たに、岐阜、愛知の両県へと運行エリアが拡大されました。

なぜ岐阜に?

 東急社会インフラ事業部事業統括グループの松田高広部長は「昨年秋の(静岡県での)ツアーでは、参加者から『もっといろいろな旅をしたい』との声を多く受けました」と、エリア拡大のきっかけを話します。では、なぜ岐阜県に?...