選抜ではベスト16ながら、岐阜県初の明治神宮大会で頂点に立った2003年中京。岐阜県戦後唯一の同チーム同学年3人がプロ入りし、岐阜大会で1試合10本塁打するなど岐阜県戦後最強とも言われるドリームチーム。高校時代を原点に指導者となり、昨年から、母校で後輩を指導する9番二塁手の山下勝弘部長(38)に秘話や高校野球への思いを聞いた。
―城所龍磨さん(元ソフトバンク)、中川裕貴さん(元中日)、榊原諒さん(元日本ハム)のプロ入り3人はじめスターぞろい。
山下 3人に加え、捕手の山本潤、遊撃手の高橋俊典は2年の夏にレギュラーで甲子園に出場した。自分はベンチ入りできず、スタンドで応援していた。
初戦の2回戦で柳ケ浦(大分)に5―3で勝ったが、3回戦で広陵(広島)に2―7で敗れた。広陵は自分と同じ二塁手で1学年下だが、上本博紀(元阪神、現阪神コーチ)がいて、無茶苦茶うまかった。
―守備には自信があった。
山下 中学時代、ボーイズリーグ全国優勝メンバーで、山本や寺西祥、安藤圭佑との4人が当時の小嶋雅人監督にスカウトされ、入学した。
守備には自信があり、新チームになってから、県、東海、明治神宮、甲子園と公式戦でノーエラーだった。小中時代に毎日、仕事を終えた父親に近所の公園でノックしてもらった。スーパーでもエアノックしながら歩いていたくらい野球漬けだった。
高校時代は、自分が母校で教員するきっかけになった前監督の氏家雄亮さんが当時、コーチで全体練習の後に個人ノックをしてもらった。
―新チームから無敵のイメージだが、プロ入り3人の印象は。
山下 城所は打てるし、足は速い、守備はうまい、肩は強いわですごかった。1番で塁に出て、盗塁して中川たちが返すといった立ち上がりから点が入るイメージしかなかった。
主将の中川は、プレーで引っ張るタイプで、ここぞという時に引き締める頼れる主将だった。
榊原は入学時、注目されてなかったが、1年時のシート打撃で、スライダーの切れがすごくて2学年上の松田宣浩さん(元ソフトバンク、巨人)らを抑えて一気に存在感が増した。
自分は二塁でスライダーの軌道がよく見えたが、本当にえぐかった。...