2016年から4年間、岐阜県高校野球界は大垣日大と中京の2強時代で、岐阜大会は3度決勝対決(1度は準々決勝で対戦)、選手権で2度ずつ代表となった。きっかけは、中京のOB橋本哲也監督就任で、大垣日大の名将阪口慶三監督と名勝負を繰り広げた。2強初年の2016年、中京は元日本ハムの今井順之助さんらを擁して岐阜大会決勝で大垣日大を破り、14年ぶりに選手権の舞台に立った。1番打者は、親子2代で社会人野球の西濃運輸で活躍した渡辺豪さん(27)。10打席以上の選手権岐阜代表選手の中で、打率トップの7割1分4厘(11打席、7打数5安打、岐阜新聞調べ)を誇る。今季で現役を引退し、来季から西濃運輸のマネジャーとしてチームを支える渡辺さんに高校時代の秘話や野球への思いを聞いた。
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―野球を始めたきっかけは、父慎吾さんですか。
渡辺 西濃運輸現役時代の父親のプレーは見ていないが、幼稚園時代、最初に岡崎市民球場(岡崎レッドダイヤモンドスタジアム)で見た西濃運輸の印象が強烈で、父親を目標に西濃運輸に入ってプロ野球選手になることが、その時から目標になった。
父親に公園でキャッチボールやゴロ取りの練習をしてもらって、小学生では、父親がコーチを務めていた少年野球チームに入り、早めにきてのバッティング練習や、居残りノックで鍛えてもらった。
中でもよく走らされたのが、その後に生き、長距離は自信があった。高校で橋本監督に走らされ、グラウンド10周目以降、速い選手から抜けていけたが、いつも1番か2番だった。実技指導する父親はすごくうまく、憧れた。中京高校はボーイズのコーチにOBがいて、入学した。
―同学年は今井さんはじめいい選手がそろっていた。
渡辺 入学式の日にあった練習試合に自分と加藤壮太(元巨人)と今井の3人が試合に出たが、今井はいきなりホームランを打った。今井はスイングがすごく、練習試合でもホームランを打ちまくり、こういう選手がプロにいくんだと思った。...