-昨年を振り返って。

 学長は6年が任期で3年目に入りました。2年ずつに区切ると、最初が基礎づくり、次が成果を収穫する、最後が次につなぐという位置付けで、最初の2年はよくできたと思います。活動原資となる補助金や岐阜大が掲げる「ぎふのミ・ラ・イ・エ」構想の基盤的な資金を獲得できました。昨年は実績として刈り取ることができつつあった年で、順調に進んでいる実感があります。

 -具体的には。

 一番大きかったのが国際活動。コロナ禍で途絶えていた海外の大学との交流や新たな連携を増やすことができました。インドやアメリカなどの大学とMoU(覚書)の延長などはもちろん、フランスのリール大やリトアニアのヴィータウタス・マグヌス大と新たに複数の学位が取得できる「ダブル・ディグリープログラム」のための協定を結ぶことができました。

 研究では、名古屋大との連携拠点として、「量子フロンティア産業創出拠点」が誕生し、糖鎖や航空宇宙、「One Medicine」の分野で着実に実績を伸ばせたと思います。県を含む県内全市町村と包括連携協定を結ぶことができ、学生が地域で活躍できる場を整えることができました。

 -どんな2025年にしたい。

 まいた種がより成長し、収穫できる年にしたいです。ぎふ地域創発人材育成プログラムを他の大学にも広げ、連携を強くしたい。東海環状自動車道岐阜インターチェンジも開通します。岐阜薬科大のキャンパス移転統合も進む中、ライフサイエンスの研究を進展させ、研究力や、自治体、企業との連携で、ライフサイエンス拠点、イノベーションパークとして、このキャンパス、地域の発展が現実味を帯びる年になると思います。大学という若い人が集まる拠点を礎に街が栄える、岐阜が栄える、地域が栄える。人口のマイグレーションを起こしていきたいですね。