―昨年を振り返って。

 ロシアによるウクライナ侵攻やイスラム組織ハマスとイスラエルとの紛争など世界が不安定化する中、日本や米国など多くの国々において選挙が行われ、改めて民主主義の意義やその違いを考える1年となりました。朝日大学では建学の精神に立脚し、ウクライナやアフガニスタンからの避難学生を受け入れておりますが、一日も早い停戦と世界の恒久平和を祈っています。

 ―大学での教育の現状は。

 学びの成果の可視化という点では、引き続き歯科医師、看護師、歯科衛生士の養成に力を注いでまいります。また経営学部では、昨年末に発表された公認会計士試験に7人が合格を果たし、総勢70人が夢をかなえております。法学部や健康スポーツ科学科からは公務員や教員採用試験の合格者を輩出しております。

 ―新しい展開があるそうですね。

 岐阜大学の高次救命治療センターを立ち上げられた小倉真治教授をお迎えして、今年4月より新たに救急救命学科がスタートいたします。入学定員は40人ですが、すでに多くの高等学校からお問い合わせをいただいており、反響の大きさに驚いております。消防署での勤務だけでなく、近年は医療機関で働く救命士も増加しています。

 ―学費を値下げしたそうですね。

 世界的なエネルギー価格の高騰、物価高や円安を背景に、わが国の経済は厳しさを増しております。そんな中でも歯科医師や看護師を目指す若者の夢を支えるべく、昨年より学費の値下げを行い、今年度も継続いたします。今後も多くの方々に、学びの機会を提供してまいります。

 ―今年の目標をお聞かせください。

 朝日大学は1971年の創立以来、地域の皆さまに支えられ、また育てていただいております。引き続き、地域社会が抱える諸課題を解決し得る人材の育成に努めてまいります。