beyond global group
“行きたいのに行けない”リアルな声に企業はどう応える?カギは試せる環境整備

グローバル視点での組織開発を手がけるbeyond global Japan株式会社(本社所在地:東京都千代田区、beyond global group President & CEO:森田 英一)は、1.新卒1年目2.新卒入社3年目の会社員(海外拠点のある日系企業にお勤めの方)を対象に、「新卒1年目・3年目社員のグローバル意識」に関する定点調査を実施しました。


近年、日本国内での人口減少とともに、企業の海外展開はますます重要になっています。
昨年4月に行った前回調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000082334.html)では、新入社員の約7割が国内でグローバルな仕事を希望していることが明らかになり、海外志向は2割弱、グローバルな仕事に興味なしは約1割に留まる結果となりました。
昨年調査から1年が経過し、その意識に変化はあるのでしょうか。

そこで今回、グローバル人材育成を行っているbeyond global Japan株式会社https://www.beyond-g.com/)は、1.新卒1年目2.新卒入社3年目の会社員(海外拠点のある日系企業にお勤めの方)、合計875名を対象に、「新卒1年目・3年目社員のグローバル意識」に関する定点調査を実施しました。


<調査概要>
調査概要:「新卒1年目・3年目社員のグローバル意識」に関する定点調査
【調査期間】2025年4月7日(月)~2025年4月14日(月)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】875名
【調査対象】1.新卒1年目2.新卒入社3年目の会社員(※海外拠点のある日系企業にお勤めの方)
【調査元】beyond global Japan株式会社(https://www.beyond-g.com/
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

若手社員のグローバル志向に変化。「海外で働きたい」層がじわりと増加

若手社員はグローバルな仕事に対して、どれくらい興味を持っているのでしょうか?
昨年実施した調査結果と比較すると、以下のような結果になりました。



昨年と比べると、新卒1年目は『海外で働き、グローバルな環境で活躍することに興味がある』の割合が昨年の18.1%から27%と大幅に増加しました。一方、『日本国内で外国の企業や外国の方と関わる仕事に興味がある』の割合が約1割減少、『海外で働くことや、外国の方と関わるなどのグローバルな仕事には興味がない』の割合は微増しました。

新卒3年目に関しては『海外で働き、グローバルな環境で活躍することに興味がある』の割合が6%ほど増加しました。一方、『日本国内で外国の企業や外国の方と関わる仕事に興味がある』『海外で働くことや、外国の方と関わるなどのグローバルな仕事には興味がない』の割合が微減しました。

また、新卒1年目と3年目を比較してみると、新卒1年目の方が「グローバルな仕事に興味なし」の回答が少なく、社会人となった初期の段階では、グローバルな仕事に比較的、ポジティブな傾向であることがわかります。
しかし、海外志向に関しては新卒3年目の方が1年目より多い結果となり、新卒3年目の海外志向は個人によってわかれる結果となりました。
海外志向がある方は、社会人となって3年でさまざまな仕事を経験し、より現実的に「海外で働く」ことを視野に入れ始めた結果ともいえるでしょう。

そして、この結果から、コロナ禍の制限解除から一定期間が経過し、「海外をリアルに意識し始めた世代」が着実に増えてきている様子もうかがえます。
同時に、昨今はアメリカのトランプ政権による米中対立や関税摩擦など、グローバル経済に逆風が吹く時代でもあり、一部では“脱グローバル”の風潮もありますが、今回の結果からは少なくとも若手社員において、「海外志向」が確実に芽吹いている傾向が読み取れます。
これは、「最近の若者は海外志向が減ってきている」といったメディアで語られる悲観的なトレンドとは異なる現場感ともいえるでしょう。

次に、「グローバルな仕事に対する温度感」について質問したところ、「日本国内でのグローバルな仕事に興味がある」と回答した新卒1年目は、『日本国内でグローバルな仕事をしたい(30.7%)』が最多でしたが、『もし機会があれば海外でもグローバルな仕事をしてみたい(23.0%)』の回答も多い結果となりました。
日本国内でのグローバルな仕事を希望しつつも、海外も視野に入れている様子がうかがえます。

「海外志向がある」新卒1年目については『日本国内でも働きたいが、海外でも働きたい(18.7%)』が最も多く、日本国内での経験も少ないため、経験を積んでから海外へ行きたいと考えている方が多いことがわかりました。

新卒3年目については、「グローバルな仕事に興味なし」と回答した方の中で『海外勤務やグローバルな仕事は絶対にしたくない(15.0%)』が最も多く、「海外で働きたい派」と「働きたくない派」が二極化していることが明らかになりました。

社会人になって3年目は、ライフステージに変化があったり、自身のキャリアについて考えたりする時期です。
それぞれの状況やライフプラン、キャリア形成にあった選択ができることが重要なのかもしれません。

では、海外勤務と国内勤務のそれぞれのタイミングについてはどのように望んでいるのでしょうか。



「日本国内で外国の企業や外国の方と関わる仕事に興味がある」「海外で働き、グローバルな環境で活躍することに興味がある」と回答した方に「海外勤務や国内勤務のタイミングについて、現在と将来でどのように考えていますか?」と質問したところ、新卒1年目は『今は日本国内、将来的には海外で働きたい(48.6%)』が最多で、『今も将来的にも日本国内で働きたい(41.4%)』となりました。

新卒3年目においても『今は日本国内、将来的には海外で働きたい(51.9%)』が最多でしたが、『今も将来的にも日本国内で働きたい(32.4%)』となり、『今すぐ海外、将来的にも海外で働きたい(13.8%)』に関しては新卒1年目より多い結果となりました。
海外志向がある方はすぐにでも海外へ行き、将来的にも海外で活躍したいという強い気持ちがあることがわかります。

海外勤務のハードルは「言語」から「実践力」へ…

では、海外で働く場合、どのような障壁があるのでしょうか。
昨年の調査と比較すると、以下のような回答結果になりました。



「海外で働く際に障壁と感じる要素」について質問したところ、『言語の壁』『文化の違い』については昨年よりもやや減少傾向であることがわかりました。
若い世代ほど、学校教育での語学強化やSNSの普及、AIの翻訳機能の進化などにより、「言葉」や「文化」に対する心理的ハードルが徐々に低くなってきている様子がうかがえます。

一方で、『外国人とのコミュニケーション』については昨年より微増しており、言語や文化の違いの理解は進んでいても、直接的なコミュニケーションに対しては自信を持ちにくい現状が残っているのかもしれません。

海外勤務におけるさまざまなハードルが明らかになりましたが、それらが解消された場合、海外で働きたいと思う方はどれくらいいるのでしょうか。

■海外で働くことへのさまざまな不安がなければ、海外で働いてみたいと思いますか?
※「日本国内で外国の企業や外国の方と関わる仕事に興味がある」「海外で働くことや、外国の方と関わるなどのグローバルな仕事には興味がない」と回答した方が回答

『とても思う(33.4%)』
『やや思う(33.3%)』
『あまり思わない(19.7%)』
『まったく思わない(13.6%)』

6割以上の方が、さまざまなな不安が解消されることで、海外で働いてみたいと回答しました。

日本国内での「閉塞感」から海外を志向する若者が増加傾向。企業側はキャリア支援の整備が必要

次に、「海外で働き、グローバルな環境で活躍することに興味がある」と回答した方に「海外で働きたい理由」について質問したところ、以下の回答結果となりました。



昨年と比較すると、とくに『日本国内では閉塞感を強く感じるから』の回答が増加している傾向が見られました。
また、新卒1年目より新卒3年目の方がより強く閉塞感を感じている人が多く(3年目では28.6%で2番目に多い)、日本国内でのキャリア展望や職場環境に対する“息苦しさ”や“先の見えなさ”がより反映されているのではないかと想定されます。
社会に出て数年が経ち、実際の業務や社会文化に触れたことで、理想と現実のギャップを実感しているともいえるでしょう。
また、日本経済や労働環境の硬直感など社会的な背景も重なり、結果として「より自由な成長環境を求めて海外に目を向ける」姿勢が高まっていると考えられます。

「いきなり海外」はハードル高め?企業に求められる“挑戦できる・試せる制度”の整備

グローバルな仕事に対する関心度などが明らかになりましたが、会社にどのような機会があればグローバルな仕事にチャレンジしたいと思うのでしょうか。

「日本国内で外国の企業や外国の方と関わる仕事に興味がある」「海外で働き、グローバルな環境で活躍することに興味がある」と回答した方にうかがいました。



「どのような機会があれば挑戦したいか」質問したところ、『国内でのグローバル研修(34.1%)』『外国語習得支援(32.5%)』『海外短期派遣研修(31.3%)』が上位に並びました。

日本国内でのグローバル研修が最多であることが特徴的で、語学習得支援や海外研修制度への関心も高い中、文化理解や国際感覚を体験できる場を、日本国内の職場の中で求めている意識の表れといえるでしょう。
そして、短期海外研修にも同じく約3割の回答が集まったことから、「まずは経験してみたい」という意欲が強い傾向が見られます。

語学だけでなく、グローバルな価値観やビジネス文化に触れる“実践的な体験機会”へのニーズは、今後の企業のグローバル人材育成の戦略において重要な指針となるでしょう。
とくに若年層にとっては、「国内から始められるグローバル」「短期海外研修制度」が、挑戦の第一歩として現実的かつ有効なアプローチといえそうです。

若手社員の約9割が日本国内のさらなるグローバル化を支持!

最後に、今回アンケートにご協力いただいた新卒1年目・3年目の会社員のみなさんに、日本国内のグローバル化に対する意識についてうかがいました。



「日本がよりグローバルな国になるために必要な政策」について質問したところ、新卒1年目と新卒3年目のどちらも約9割が日本がグローバル化するために何らかの政策が必要であると考えていることが明らかになりました。

現在の日本は、グローバル化に関して移民制度や、外国人労働者をめぐる社会インフラ・共生制度など多くの課題があります。
人手不足を解消するために外国人材の活用は不可避となりつつある一方で、受け入れ体制の整備の遅れや地域での摩擦といった現実も根強く存在しています。
しかし、若年層はその現状を敏感に捉え、日本のさらなるグローバル化の必要性を前向きに考えている方が多いことがわかりました。

その中でもとくに『英語教育の強化』の声が多くあがり、義務教育からの英語力の底上げが日本のさらなるグローバル化における最も優先度の高いテーマであると考えているようです。

そこで、その政策が必要だと思う理由について詳しくうかがいました。

■その政策が必要だと思う理由は?
<日本のさらなるグローバル化に賛成派>
・他の先進国に比べて、英語が話せない人が圧倒的に多い。それではグローバル化が推進できるわけがない(女性/新卒1年目/埼玉県)
・日本人の人口が減る中で、日本の国力を海外に対して示すために、必要だと感じたから(男性/新卒1年目/東京都)
・グローバル社会の中で、閉鎖的な社会では取り残され、今後の未来は期待出来ないから(男性/新卒3年目/北海道)
・お互いの文化や価値観を受け入れるようにしないと生活しづらいから。認め合う頃からの勉学や知識は不可欠(女性/新卒3年目/東京都)

<日本のさらなるグローバル化に慎重派>
・日本の文化に準ずる行動ができない外国人が多い。 日本の政策、立法は外国人に甘すぎる(男性/新卒1年目/京都府)
・外国人にばかり金をかけすぎているから(男性/新卒1年目/東京都)
・移民を増やさずに、高度人材の育成にちからをいれるべし(女性/新卒3年目/北海道)
・まずは日本人の環境が良くなる政策からするべきだと思うから(女性/新卒3年目/千葉県)

日本のさらなるグローバル化にポジティブな意見が多く見られましたが、慎重になるべきとの回答もよせられ、国内グローバル化に対する考えは個人によってそれぞれであるようです。

まとめ:「挑戦したい」の声に応えられるか?若手社員の海外志向に企業ができることとは

今回の調査結果で、新卒1年目・3年目社員の「グローバルな働き方」への関心は、昨年と比較すると、その意識に着実に変化があったことが明らかとなりました。特に「海外で働きたい」という志向は微増傾向にあり、国内外を問わずグローバルな環境で働くことに対する若手社員の姿勢が、より現実味を帯びてきていることがうかがえます。以下に、今回の調査から読み取れる主な傾向と、それに対する企業側の対応のヒントを整理します。

【1】海外志向が「減少」ではなく「変化」している
昨年との比較から、「国内でのグローバルな仕事志向」はやや減少する一方、「海外で働きたい」層は微増傾向にありました。とくに新卒3年目では、社会人経験を経て「実際に海外で挑戦したい」という現実的な志向が強まっており、若手社員の海外志向は“ない”のではなく、経験や環境によって形を変えていることがうかがえます。こうした変化を捉え、社員一人ひとりのキャリア段階に応じて柔軟な選択肢を提供していくことが、企業にとっての人材育成施策の重要なポイントとなってくるでしょう。

【2】海外志向の背景には「閉塞感」も
「日本国内での閉塞感」を理由に海外勤務を希望する声が増えており、とくに新卒3年目ではその傾向が顕著でした。これは、業務経験を積む中での理想と現実のギャップや、将来のキャリア展望に対する不安が影響していると考えられます。若手社員のグローバル志向の背景には、必ずしも前向きな挑戦意欲だけでなく、現在の職場における息苦しさや行き詰まり感が潜んでいる可能性もあるため、企業としては制度や環境面だけでなく、日々のコミュニケーションや1on1などを通じて本人の思いや不安を丁寧に汲み取り、キャリアの方向性について対話を重ねることが重要になってくるでしょう。

【3】「まずは試せる制度」がカギに
語学や実務経験への不安から、「いきなり海外」はハードルが高いと感じる若手社員が多い中で、「国内でのグローバル研修」や「外国語習得支援」、「短期海外派遣」など、“段階的に挑戦できる仕組み”に高い関心が寄せられました。若手社員の関心を育成につなげるには、実践的な体験を通じて成功体験を積ませることが効果的といえます。まずは外国籍社員との協働プロジェクトや、異文化コミュニケーションを体験できる社内研修などを通じて、国内でできる範囲からグローバルな仕事への関与を促すことで、挑戦に対する心理的ハードルを下げ、将来的なグローバル人材育成の土台づくりにつなげていくとよいでしょう。

グローバル視点での組織開発パートナー「beyond globalグループ」



今回、「新卒1年目・3年目社員のグローバル意識」に関する定点調査を実施したbeyond global Japan株式会社(https://www.beyond-g.com/)は、日本本社・海外現地法人(シンガポール・タイ拠点)の双方から、世界で誇れる組織へ変革する組織開発パートナーです。

beyond globalグループは、日本企業にもっと「進化」と「人間らしさ」を。そして、世界中の多様な人と「違い」を超えて「共創」する社会の実現を目指して活動している会社です。次世代型の組織、人と組織の関係性を追求し、社員、そして社会にとって誇れる組織になるためのグローバル視点の組織開発パートナーとしてアジアを中心とした世界各国で、研修、人材育成、組織開発、HRテックの観点からご支援しています。


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