将棋の第38期竜王戦ランキング戦5組準決勝は2日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、プロ棋士養成機関の奨励会員、山下数毅三段(16)が山本博志五段(28)を破り決勝に進出した。竜王戦の予選に当たるランキング戦5組で、奨励会員が決勝に進んだのは初めて。奨励会規定により、プロ入り資格獲得に大きく前進した。
山下三段は奨励会の三段リーグで、棋士に昇段する上位2人に届かず、次点の3位に入ったことがある。竜王戦5組決勝進出により、進行中の三段リーグで規定の成績(18局で5勝以上)を収めれば次点1回が付与され、9月のリーグ終了後に二つ目の次点となる。次点2回獲得の場合、プロ入りの権利を得る。
山下三段は京都市在住で数学者の父を持つ。前期は竜王戦ランキング戦で、最も下のクラスの6組で準優勝し、5組に昇級していた。
竜王戦ランキング戦は棋士以外に奨励会員、アマチュアらに出場枠がある。