昨年の能登半島地震と記録的豪雨で大きな被害が出た石川県内の復旧工事現場で、新しい技術や装置が活用されている。国土交通省能登復興事務所は8日、大規模地滑りで崩落した土砂の撤去で、無人のショベルカーを県外から遠隔操縦で動かすシステムを導入した。危険が伴う作業を安全に進めるためで、近く本格稼働させる予定。
システムを取り入れたのは、輪島市町野町曽々木地区の地滑り箇所。土砂の再崩落を防ぐ土のうを置く場所の地ならしのため、千葉県君津市の建設会社の事務所に操縦ブースを設置し、作業員が現場のカメラ映像を見ながらショベルカーを操作する。
8日、操縦の様子を報道陣に公開。千葉にいる作業員がレバーを扱うと、現場では誰も乗っていないショベルカーが走行したり、アームを上下させたりした。
国交省は昨年、同様のシステムを土砂崩落で通行止めとなった輪島市の国道迂回路の造成工事で導入したが、操縦したのは約1キロ離れた現場事務所。今回は300キロ以上離れた地点から動かした。