10日、韓国与党「国民の力」の公認を取り消されたことについて記者会見する金文洙前雇用労働相=ソウル(聯合=共同)

 【ソウル共同】韓国の保守系与党「国民の力」幹部は10日夜、大統領選の公認候補変更案が党員投票で否決されたと明らかにした。金文洙前雇用労働相が公認候補に復活した。党執行部は保守系候補一本化のため、10日未明に韓悳洙前首相への候補変更を強行したが、党員の間に反発が広がったとみられる。韓氏は党員投票の結果を「謙虚に受け入れる」と表明した。候補の一本化は難航している。

 同党は10日、3日の党大会で決めた金氏の公認を取り消したと一時発表。この日入党した韓氏を公認する見込みだった。金氏が韓氏との候補一本化に消極的だったため、党執行部が候補交代を強引に推し進めた。

 「不法で不当な候補交代」と強く反発していた金氏は、候補復活を受け「韓氏も党に残って大統領選を共にしてほしい」と呼びかけた。

 大統領選では、革新系野党「共に民主党」候補の李在明前代表が各種世論調査で大きくリード。金氏と韓氏が共に出馬した場合は保守票が分散するため、与党執行部は候補を一本化させ、李氏に対抗する構図を描いていた。金氏よりも韓氏の方が幅広い支持を得られるとの見方が出ていた。