【モスクワ共同】ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスは10日、ソ連が1972年に打ち上げたまま地球を周回していた金星探査機「コスモス482号」が軌道を外れ、インド洋に落下したと発表した。

 インド東部のベンガル湾上空で大気圏に突入した。落下による被害は伝えられていない。

 コスモス482号を巡っては、米航空宇宙局(NASA)がこれまでに、重さ500キロ近い残骸が10日ごろ、地球に落下すると予測。金星の分厚い大気に突入し着陸するよう設計されているため、地球の大気中でも燃え尽きず、地上に到達する恐れがあるとしていた。

 金星に向かうエンジン噴射がうまくいかず、着陸機部分が地球周回軌道にとどまっていたとみられる。