噴気の温度を計測する九州大の学生=12日午後、長崎県の雲仙・普賢岳

 1990年11月からの雲仙・普賢岳(長崎県)の噴火でできた溶岩ドーム「平成新山」の現状を調べる防災視察登山が12日行われ、九州大地震火山観測研究センターの松島健教授は「火山活動は安定しているが、崩落の危険性はあるので注意が必要だ」と指摘した。

 一般の立ち入りを制限する警戒区域に入り、火山の活動状況を観測する目安となる噴気の温度などを複数地点で計測した。頂上付近は90度前後で、松島教授は「100度を下回った11年ごろから大きく変化はない。噴火の兆候はない」と述べた。

 視察登山は例年2回ほど実施され、この日は警察や消防、島原市の職員ら約90人が参加した。