1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(89)の弁護団は12日、静岡市で会議を開いた。県と国を相手取り8月に提訴予定の国家賠償請求訴訟について、死刑判決を出した裁判所に対しても冤罪の責任を追及する方針を確認した。「5点の衣類」が犯行着衣と認定され、有罪の根拠となったことを受け「誤って有罪判決を出した」と主張する。

 オンライン併用で開かれ、弁護士や支援者が参加した。再審公判で衣類などの証拠が捜査機関による捏造と認定されたことを踏まえ、国賠訴訟で捜査機関の違法性も言及する方針。再審請求審などについても弁護団独自で検証し、報告書をまとめることも確認した。