子どもの幸福度ランキング

 国連児童基金(ユニセフ)は14日、先進・新興国43カ国に住む子供の「幸福度」を調査した報告書を公表した。日本の子供は高い自殺率などが要因となり「精神的な健康度」が32位と下位に低迷した。2020年公表の報告書では37位だった。「身体的な健康度」は20年に続き首位だった。

 経済協力開発機構(OECD)や欧州連合(EU)に加盟する国が対象。「精神的な健康度」「身体的な健康度」「学力・社会的スキル」の3分野でランク付けした。日本はスキルが12位(20年は27位)で、総合順位は14位(同20位)だった。

 報告書によると、日本の若者の自殺率は4番目に高かった。貧困問題に詳しい東京都立大の阿部彩教授は「日本では子供が精神的な問題を抱えるという意識が薄い。政府の対策も効果が出ていない」と強調。身体的な健康に関しては「肥満は少ないが、痩せすぎの問題はある」とした。

 総合順位では首位がオランダ、2位がデンマーク、3位がフランス。データが十分に集まらなかった米国など7カ国を除く36カ国で最下位はチリだった。