【台北共同】台湾与党の民主進歩党(民進党)に近い市民団体などが最大野党、国民党の立法委員(国会議員)に対するリコール(解職請求)運動を仕掛けている。立法院(国会、定数113)で野党が多数派を占めているねじれ状態を解消するためだ。解職の是非を問うリコール投票が今夏にも各地の選挙区で一斉に行われる見通し。頼清徳総統の就任1年となる20日を前に、与野党対立が激化している。
リコール投票は、解職を求める署名が規定数に達した選挙区で行われる。国民党側もリコール運動で応戦するが、署名を偽造した疑いで当局の捜査を受ける事態に。国民党は司法を武器にした「政治介入」だと頼政権に強く反発している。
立法院では野党主導で防衛予算案が削減されるなど、頼政権は苦しい議会運営を強いられてきた。民進党側には、リコール投票で国民党系の立法委員を罷免して補選で6議席奪還すれば多数派を奪えるとの計算がある。補選は罷免が成立した選挙区で年内に行われる。
リコール署名の対象になった立法委員は国民党系35人、民進党系15人。