誕生したばかりの赤ちゃん星(原始星)が周囲の水素ガスやちりを取り込んで成長する過程を、スーパーコンピューターのシミュレーションで再現することに成功したと、大阪大などのチームが14日、米科学誌に発表した。星表面で起こる「衝撃波」によって周囲を回転するガスを取り込んでいることが判明、チームは「太陽系の起源解明にもつながる」としている。
太陽などの恒星は、ガスやちりが濃く存在する「分子雲」で誕生。原始星の周囲では、ガスなどが回転しながら円盤状に広がり、星はこれらを取り込んで大きくなるとされる。ただ取り込むには、回転の勢いを弱めなければならないが、仕組みが未解明だった。
チームの高棹真介・武蔵野美術大准教授(宇宙プラズマ物理学)らは、原始星が太陽よりもはるかに強い磁場を持つ可能性に着目。星の内部構造や磁場を考慮した全体モデルで計算したところ、超音速で回転するガスが星の表面から出る強い磁場を横切ろうとすると、らせん状の衝撃波が発生。円盤内のガスが減速することが分かった。