長崎県対馬市の対馬博物館で特別公開が始まった観世音菩薩坐像を鑑賞する来館者=16日午後

 長崎県対馬市の対馬博物館は16日、市内の観音寺から2012年に盗まれて韓国に持ち込まれ、今月12日に同市に戻った県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」を一般向けに特別公開した。同館の川辺真由美副参事(60)は、韓国からの観光客も和やかに鑑賞していたと話し「この博物館が(日韓)交流の場になってほしい」と期待を寄せた。

 この日は午前中から地元住民や観光客らが熱心に見入り、千葉県から訪れた大溝康平さん(36)は「歴史的瞬間に立ち会えた」と笑顔を見せた。

 仏像は12日に観音寺に一時安置され、法要が営まれたが、防犯面などを考慮し、今後は博物館で管理される予定だ。