政府備蓄米を保管している倉庫=2月、埼玉県内

 農林水産省は16日、放出した政府備蓄米の流通段階での経費と利益の分析結果を発表した。卸売業者は60キロ当たりで経費と利益を合わせて7593円を上乗せしており、2022年産調査と比べて最大3・4倍となった。ある卸売業者は「物流コストや人件費も上昇している。適正価格で販売している」と説明した。

 3月17日〜4月13日に流通した備蓄米が対象。卸売業者は玄米60キロを平均2万2207円(税抜き)で仕入れ、小売り・外食事業者に2万9800円で販売していた。販売価格は精米を玄米に換算した金額。差し引きした、経費と利益に当たる分は22年産の調査では2206〜4689円だったという。

 同様に集荷業者の経費と利益を算出すると、備蓄米で961円。22年産は最大2400円だった。卸売業者の上乗せ額が集荷業者に比べて大きいのは、精米や袋詰めなど作業工程が多いことが影響している。