自民党の江藤拓農相が佐賀市で18日に行った講演で、価格高騰が続くコメに関し「(私は)買ったことがありません。支援者の方々がたくさんコメを下さるので、まさに売るほどあります。私の家の食品庫には」と発言したことが19日、分かった。生活負担の増加に国民が苦しむ中、価格の安定化に取り組む担当閣僚の発言として不適切だとの批判を浴びるのは必至だ。自民党佐賀県連の政治資金パーティー「政経セミナー」で述べた。
コメ価格は昨年秋ごろから上昇傾向が本格化した。農林水産省は今年3月になって、政府備蓄米の放出を始めたが「取り組みが遅い」との批判が上がっていた。
江藤氏は19日、農水省内で記者団の取材に応じ「売るほどあるというのは言い過ぎた。批判はあると思う。消費者の方々に対する配慮が足りなかった」と釈明した。「結果を出すことで応えたい」と語り、自らの進退については辞任を否定した。
同日の参院予算委員会で江藤氏は、備蓄米の放出に関し「国民の期待する結果が出せておらず、大変重く責任を感じている」と陳謝した。