世界保健機関(WHO)本部=2024年1月、スイス・ジュネーブ(共同)

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)の総会が19日、スイス西部ジュネーブで開幕した。27日までの日程で、会期中に感染症の世界的大流行(パンデミック)への備えや対応を定めた新たな国際ルール「パンデミック条約」が採択される見通し。米国のWHO脱退表明により予算の大幅減少が不可避となったことで、組織の改編なども議題となる。

 WHOによると、加盟国は19日にパンデミック条約について議論し、20日にも採択する。既に4月の交渉で条約案の内容に合意しており、成立は確実視されている。

 同条約は、新型コロナウイルス禍の甚大な被害や経済の混乱を教訓として、国際社会の一致した対応のためWHOが新設を目指してきた。

 条約の交渉は2022年2月に開始。当初目標だった昨年の総会での採択は、ワクチンを公平配分する仕組みなどを巡って先進国側と途上国側の主張が対立し、見送られた。

 WHOへの最大拠出国である米国のトランプ大統領は就任直後、WHOが中国寄りなどとして脱退を表明。それ以降、主な議論に代表団を送っていない。