訪問介護事業所の55・2%は2024年度の収入が前年度から減り、うち73・3%が仕事の依頼があっても人手が足りず受けられなかったと労働組合「日本介護クラフトユニオン」の調査に答えた。染川朗会長は「介護保険制度の根幹を揺るがす事態」と指摘。人手不足の解消に向け、事業所がサービスの対価として受け取る「基本報酬」の引き上げや、介護職員の処遇改善を国に求めた。
施設サービスを含めた介護報酬は、厚生労働省が原則3年に1度改定しており、訪問介護の基本報酬は24年度改定で減額。職員の賃上げの原資確保が難しく、他業界への流出に拍車がかかっている。
今年4月14〜21日に調査し、596事業所が答えた。うち329事業所が前年度より収入が減ったと回答し、うち241事業所が減収の理由に「訪問介護員の不足で依頼があっても受けられなかった」を選んだ。
収入の増減を問わず「訪問介護員の不足でサービス提供を断ったことがあるか」と尋ねた設問では533事業所(89・4%)が「ある」とした。