【ブカレスト共同】東欧ルーマニアでやり直しとなった大統領選の決選投票が18日投開票された。選管当局によると、親欧州連合(EU)で中道の首都ブカレストのダン市長(55)が、EU懐疑派で野党の極右政党、ルーマニア人統一同盟のシミオン党首(38)を破り、当選した。同国の親EU路線は継続する。シミオン氏は19日、敗北を認めた。
得票率はダン氏が53・6%、シミオン氏が46・4%。ダン氏は18日夜、支持者を前に「憎しみではなく、対話を望むルーマニア人のコミュニティーが勝利した」と述べ、分断が進む社会の団結を国民に呼びかけた。ブカレスト中心部の大通りは国旗や欧州旗を掲げて喜ぶ市民らで埋め尽くされた。
選挙は昨年11月、泡沫と目された極右で親ロシア派の無名候補、ジョルジェスク氏(63)が中国系動画投稿アプリTikTok(ティックトック)を駆使して予想外の首位に立った。ルーマニア情報機関はロシアによる選挙介入の疑いを指摘。憲法裁判所が無効を宣言し、異例の再実施となった。