知的障害がある人の恋愛や結婚に対する支援が不足していることから、厚生労働省は恋愛や性に関する当事者向けのハンドブックを作成、公表。家族や支援者向けに活用方法を解説した手引も作った。
北海道の社会福祉法人が結婚を希望する知的障害者に不妊処置を求めていた問題が2022年に発覚したことなどが背景。厚労省の委託事業で大手コンサル会社が手がけた。
「人とのかかわり・からだ・恋愛・セックスを学ぶためのハンドブック」という名称で、約20ページ。知的障害があっても分かりやすいように易しい言葉を使い、漢字にはルビを振った。
「自分のことは自分で選んでいい」「からだの権利」など四つのテーマに分け、漫画を交えて恋愛や性的同意、避妊方法、生理のことなどを解説している。
支援者ら向けの手引では、現場で判断に迷うようなケースについてQ&Aを掲載。支援に活用できる制度やサービスも盛り込んだ。
監修担当の京都教育大・門下祐子講師は「障害福祉事業所や学校、家庭などで当事者と対話するきっかけに活用してほしい」と話す。