福島県いわき市のいわき信用組合が預金者に無断で口座を開設し、架空融資などの形で不正に資金を流用したとされる問題で、組合員が、信組の江尻次郎元会長に対する私文書偽造容疑での告発状を福島地検いわき支部に提出した。関係者が22日、明らかにした。
関係者によると、告発内容は昨年10月、元会長が他の役員らと共謀し、顧客の男性から融資の申し込みを受けたかのように装い、借入申込書を偽造したとしている。提出は今月19日付。
さらに、架空の融資を計上した虚偽の2023年度決算書を作成したとして、元会長に対する銀行法違反容疑などでの告発状も今月20日付で提出した。
福島地裁いわき支部は、融資に関する証拠の保全を求める一部組合員の申し立てを今年2月に認めていたことも判明。関係者によると、信組が保管していた偽造口座の名義や架空融資の残高リストなどが保全対象に含まれ、リストには昨年秋の時点で約90口座、総額17億円超が記載されていたという。