JR美祢線の復旧方針を話し合う協議会の会合=22日午前、山口県長門市

 2023年夏の大雨で被災し全線運休が続く山口県のJR美祢線を巡り、JR西日本と沿線自治体などが復旧方針を話し合う協議会の会合が22日、同県長門市で開かれ、JR西はバス高速輸送システム(BRT)の導入が望ましいとする考えを示した。7月にも臨時総会を開き、詰めの協議をする。

 会合では、鉄道とBRT、路線バスで復旧した場合にかかる期間や費用をそれぞれ試算した報告書が示された。鉄道は復旧に最短で10年程度、運営費は年5億5千万円以上かかるとしたのに対し、BRTの復旧期間は約3〜4年、運営費は年2億5千万円とした。

 出席したJR西の広岡研二広島支社長は「BRTでの復旧で、利便性と公共交通の持続可能性を高めることが適当だ」と指摘。地元商工会からは鉄道にこだわらず、早期復旧を求める意見が出た。美祢市の篠田洋司市長は会合後、鉄路維持を前提とした上で「BRTも選択肢の一つだ」と記者団に述べた。

 美祢線は厚狭(山陽小野田市)―長門市間で県を縦断する。JR西は「JR単独での鉄道の復旧、運行は困難」としている。