ウクライナのゼレンスキー大統領が23日、通信アプリで公開した交換後の戦争捕虜=ウクライナ国内(ロイター=共同)

 【チェルニヒウ、モスクワ共同】ロシア国防省は23日、トルコ・イスタンブールで今月行われたウクライナとの直接交渉での合意に基づき、捕虜270人と民間人120人ずつの交換を行ったと発表した。両国は捕虜千人ずつの交換で合意しており、交換の第1弾。今後数日中に完了する見通し。2022年2月にロシアが全面侵攻して以降、最大規模の交換となる。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、捕虜交換に向けた準備会合に出席した。「ロシアに捕らわれていた千人が帰国する。トルコでの直接交渉のほぼ唯一の成果だ」と述べ、ロシアとの信頼醸成に向けて、確実に実行する必要があると訴えた。

 ウクライナのイエルマーク大統領府長官は22日、捕虜交換が実現した後に、次回の直接交渉の場所を決定するとの考えを表明した。ローマ教皇庁(バチカン)が場所提供に意欲を示しており、仲介する米国もバチカン開催を支持している。

 16日の直接交渉では、最大の焦点だった停戦合意には至らなかった。