国宝「七支刀」(石上神宮蔵)

 奈良国立博物館(奈良市)は23日、奈良県天理市の石上神宮に伝わる国宝「七支刀」について、エックス線コンピューター断層撮影(CT)による初めての調査を実施したと発表した。同館での展示に合わせた「健康診断」で、保存状態はおおむね良好とした。刻まれた文字の一部も従来より鮮明に確認できた。

 七支刀は両側に3本ずつ刃が枝分かれした鉄製の剣。表裏に計約60文字が施され、中国の年号である太和4年(369年)を指す「泰和四年」に、朝鮮の百済王族が倭の王のために作ったとされる内容が刻まれている。

 本体の厚みは2〜3ミリと極めて薄いことが判明。折損や崩壊につながるひびや剥離はなく良好な状態だった。