リング脇に飾られたプロレスラー木村花さんの写真=23日午後、東京・後楽園ホール

 フジテレビのリアリティー番組出演を巡り交流サイト(SNS)で中傷を受け、2020年に自ら命を絶ったプロレスラー木村花さん=当時(22)=をしのぶプロレスのメモリアルマッチが23日、東京・後楽園ホールで開かれた。母響子さん(48)は開幕のあいさつで「20年から真っ暗な日々が続くが、今日はみんなときれいな花火を打ち上げたい」と語った。

 明るかった花さんにちなみ試合のテーマを「花火」とした。リング上でマイクを握った響子さんは、花さんが亡くなって以降は「海の底を漂うようだ」と振り返った。「明日からまた真っ暗になっても、今日に戻ってこられるよう胸に刻みたい」と締めくくると、会場から拍手が起きた。

 花さんに憧れプロレスラーになったという女子選手らが熱戦を演じた。リングの脇には笑顔の花さんの写真が飾られ、試合の前後に生前の活躍の様子を収めた映像が上映された。

 木村花さんは番組中の言動に関しSNSで繰り返し中傷を受け、20年5月に死亡。これをきっかけに侮辱罪が厳罰化された。