岐阜県美濃市の市立小学校で、1年生に配布されていた通知表

 岐阜県美濃市の全ての市立小学校5校で1、2年生の通知表廃止が決まった。発達段階の子どもにのびのびと成長してほしいとの考えからだ。全国でも珍しく、専門家は「子どもだけでなく、教員にとっても良い取り組み」と歓迎する。

 美濃市の小学校では毎学期末、全学年を対象として教科ごとに「◎」「〇」「△」の3段階評価を付けた通知表を配布してきた。市教育委員会によると、昨秋開かれた会議で、ある教育委員が「小さいうちは通知表で評価できない部分がある」として、低学年の通知表廃止を提案した。

 通知表を作成する法令上の義務はなく、校長の裁量で様式や内容を決められる。昨年12月、市内5校の校長が提案に賛成。今春入学した1年生(計約140人)から廃止することになった。

 通知表に代わり、学級担任が7月と12月、保護者との個別懇談で学習や生活の状況を伝えることに。学年末には子どもの良さや努力したことを記した「修了証」を配る。今年4月の授業参観で保護者にこうした変更を説明したところ、反対意見は出なかったという。