キーウの大統領府で取材に応じるウクライナのブルシロ大統領府副長官(共同)

 【キーウ共同】ロシアの侵攻を受けるウクライナのブルシロ大統領府副長官(外交担当)が31日までに、首都キーウで共同通信のインタビューに応じた。ゼレンスキー大統領が出席を予定する6月のカナダでの先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、石破茂首相との首脳会談が「実現する可能性があり、期待している」と語った。

 ブルシロ氏は、ロシアとの和平交渉で(1)ロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島と東部・南部4州のロシア領承認(2)北大西洋条約機構(NATO)加盟断念(3)軍縮(4)欧州による武器供与の制限―を認めることはないと断言。ロシアは非現実的な条件を提示し、戦争を意図的に長引かせていると批判した。

 ロシアに戦争継続を諦めさせるためには、経済制裁が最も有効な手段と主張。現在の制裁では「モスクワやサンクトペテルブルクなど大都市圏には効果がない」として、G7諸国に対し、ロシア産原油の取引価格上限を現在の半額に当たる1バレル=30ドル(約4300円)に引き下げることを求めた。