【ウィーン共同】イラン核合意を検証する国際原子力機関(IAEA)は31日、イランが濃縮度を60%に高めたウランの生産を加速させ、貯蔵量が400キロ以上に増えたとする報告書をまとめた。今年2月の報告書から約1・5倍の増加。60%は核兵器級の90%に接近する重大な核合意違反に当たる。イランの核開発拡大に対して、米欧の反発は必至だ。

 米国とイランは4〜5月、核開発問題を巡る高官協議を計5回実施した。米国はイランの核兵器保有阻止のためウラン濃縮活動の完全停止を主張。イランは核開発は平和利用目的だと訴えており、両国が妥協点を見いだせるかどうかは不透明だ。