被爆者や市民団体で構成する一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」は1日、発足1年の記念イベントを東京都内で開いた。代表理事で、昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の田中熙巳さん(93)が核廃絶に向けた若者の活躍に言及し「日本政府が先頭に立てるよう、がんばってほしい」とエールを送った。
イベントでは核軍縮や国際法の専門家らで構成する「学術アドバイザーグループ」の設置を発表。長崎大客員教授で、NPO法人ピースデポの鈴木達治郎代表が座長を務め、キャンペーンの活動に専門的な視点で助言する。オンラインで参加した鈴木代表は「論文に出てくる知見を分かりやすい形にし活動に生きるようにしたい」と話した。
唯一の戦争被爆国である日本が批准していない核兵器禁止条約への参加や、アジアでの軍縮実現に向けた提言の概要も明らかに。核戦争のリスクは過去「最高レベル」にあるとして「核廃絶は安全保障上現実的な選択肢」などとした。