【台北共同】台湾の安全保障当局者は2日までに、中国が5月に日本の南西諸島と台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」周辺に海軍や海警局の艦船を大規模に展開させていたと明らかにした。1日平均で計50〜70隻程度としており、同当局者は第1列島線内の支配能力を誇示するための「圧力」と指摘し、警戒感を示した。
同当局者によると、中国は昨年12月にも第1列島線の内側を中心に90隻超の艦船を活動させたことがあるが、今回は第1列島線に近い海域に集結する形で艦船を展開したという。
中国は5月に入り艦船の大規模展開を始め、同月27日には第1列島線周辺で70隻程度が確認された。5月は中国海軍の空母「遼寧」が東シナ海や西太平洋を航行したほか、「山東」が南シナ海で活動。3隻目の空母「福建」も8回目の試験航行を実施した。
同当局者は今回の大規模展開は、第1列島線内を「内海化」し自国の支配下に置こうとする中国の政策と関係があると指摘。「常態的な軍事プレゼンス」を強調し、既存の国際秩序の変更を図る狙いだとの見方を示した。