伊勢神宮の式年遷宮に向け、「三ツ緒伐り」の技法で伐採されるご神木=3日午後、長野県上松町の木曽谷国有林

 伊勢神宮(三重県伊勢市)の社殿を20年に1度建て替える2033年の「式年遷宮」に向け、ご神体を納める器に使う木材を伐採する祭事「御杣始祭」が3日、長野県上松町の木曽谷国有林で行われた。

 木材は「御樋代木」と呼ばれ、式年遷宮で必要な約1万本の木材の中で、最初に切り出されるご神木。木曽の山中は良質なヒノキの産地で、江戸時代中期から御用材を伐採する「御杣山」とされてきた。

 伊勢神宮の関係者ら約350人が参列し、雨の中で行われた。祭事に奉仕する技師らが、3方向からおのを打ち込む伝統技法「三ツ緒伐り」で、樹齢約300年のヒノキ2本を1時間かけて切り倒した。