雲仙・普賢岳の大火砕流から34年となり、発生時刻に合わせ黙とうする遺族ら=3日午後4時8分、長崎県島原市

 消防団員や警察官ら43人が犠牲となった長崎県の雲仙・普賢岳の大火砕流から34年となった3日、被害を受けた同県島原市内では発生時刻の午後4時8分に防災無線のサイレンが鳴り響き、遺族らが黙とうをささげた。被災地を訪れた島原署の松本健署長は「災害の記憶を後世、同僚、後輩に語り継いでいただきたい」と訓示した。

 消防団の詰め所が当時置かれていた市内の農業研修所跡地には曇り空の下、島原署員や遺族らが集まった。団員の夫を亡くした山下睦江さん(69)は「ユーモアがあり厳しくもある人だった。忘れられない日だ」と話した。