2004年3月4日に長嶋茂雄さんは脳梗塞で倒れた。右半身にまひが残りながらも懸命にリハビリを続ける姿は、同じように病気から回復を目指す人たちに勇気を与えた。11年3月のインタビューでは「練習をやるつもりで(リハビリを)どんどんやっている。練習やって病気に勝つんだという気でやっている。少しでも(他の患者に)役立てばいいと思う。ある意味、野球と同じ」と熱く語った。
「神宮の花形」だった東京六大学時代から注目を浴び、バットで日本中を熱狂させた。病に倒れた後も、周囲の期待を裏切らないように努力を惜しまなかった。
倒れた当初は右手と右足が動かなかったが、驚異的な回復を見せた。1年が経過した頃、リハビリの様子をよく知る関係者は「脳梗塞のような重い病気をした人間とは思えないような早歩きで歩いている」と驚いたように話した。
13年5月5日に東京ドームで行われた国民栄誉賞の授与式には、共に受賞した松井秀喜さんと出席し、約4万7千人の観衆の前で「ファンの皆さま、本当にありがとうございます」とスピーチした。