閉幕後の一部保存が検討されている大屋根リング=3日午後、大阪市此花区の夢洲

 大阪・関西万博の会場シンボル、大屋根リングの閉幕後の活用策を検討する関係機関の会議が3日、大阪市で開かれた。今の形で一部保存を目指す吉村洋文大阪府知事は、対象と見込む北東部約200メートル分について、屋根を取り払う形ではなく、人が上れる形で保存する新たな方式を府市として提案。難しい場合、別の約350メートル分を10年間保存する代案も示した。

 吉村氏は会議後、記者団に「リングの建築美を残し、今と同じ空を見上げられるようにする」との意義を改めて訴えた。

 200メートル部分は府市がまとめた跡地活用の基本計画で、屋根を取ってモニュメントとして残す形が示されている。原形に近いまま残す内容で再開発の事業者が現れるかどうかが焦点となる。

 吉村氏は5月の前回会合で、南西部約600メートル分を万博のレガシー(遺産)として保存するよう提案。200メートルの保存がかなわない場合の代案として、対象を縮小する内容で再提案した。保存に必要な費用の負担方法が課題になる。