全国で急増中の警察官をかたる捜査名目の特殊詐欺で、警視庁の偽サイトにアクセスさせて虚偽の逮捕状を示す手口が確認されている。偽サイトには、口座情報などを入力させ、悪用するための「フィッシング」ページも仕組まれ、詐欺だけでなく不正送金の画策もうかがえる。手口が複雑・巧妙化しており、警察当局が注意を呼びかけている。
警察庁などによると、茨城県つくば市の30代女性は5月、兵庫県警の警察官を名乗る男から電話を受けた。口座が犯罪に使われているとして「逮捕状が出ている」「家族と連絡を取らないように」などと言われ、「口座識別番号の確認」との名目で指定口座に200万円を振り込んだ。
女性はLINE(ライン)に誘導され「受理番号」と記された数字と偽サイトのアドレスを受信。クリックすると、警視庁のサイトを装う「案件検索システム」と記載されたページが表示され、番号を入力すると偽の逮捕状が示されたという。
警察庁の担当者は、警察がLINEなどの通信アプリに誘導することはないと強調した。