【ワシントン共同】米実業家のイーロン・マスク氏は3日、X(旧ツイッター)で、減税や国防強化といったトランプ大統領の看板政策を盛り込んだ法案を批判した。法案は財政を大幅悪化させるとの懸念があり、第2次政権で政府歳出の削減を進めたマスク氏は「もう我慢できない。巨額で法外な、利権まみれの法案は嫌悪すべき忌まわしいものだ」と投稿した。
政府効率化省を事実上率いたマスク氏は退任に際し、トランプ氏と共にホワイトハウスの大統領執務室で5月30日に記者会見した。トランプ氏は功績を評価し「共闘」の継続を演出。マスク氏は「友人、助言者であり続ける。必要とされれば、いつでもお役に立ちたい」と語っていた。
議会下院は5月、当初案を一部修正した上で法案を可決した。当初案では、今後10年間で財政が約3兆3千億ドル(約476兆円)悪化するとの試算が出ていた。トランプ氏は上下両院に、法案成立を促している。
マスク氏はXで「この法案に賛成票を投じた議員は恥を知れ」「米国民に持続不可能な債務を背負わせることになる」とも指摘した。