「ミスタープロ野球」と呼ばれた長嶋茂雄さんの死去から一夜明けた4日、プロ野球巨人での現役時代に指導を受けた松井秀喜さん(50)が米国から急きょ帰国して自宅を弔問した。「一番は感謝。監督との出会いがなければ、松井秀喜という野球選手は全く違う野球人生を送ったと思う。ドラフトのとき私を引いてくださった。素振りを通じて、大切なことを授けてくださった」と、落ち着いた口調で恩師と過ごした時間を振り返った。
松井さんは普段は米国で生活しており、生前の長嶋さんと最後に会ったのは1月上旬だったという。早朝に訪問し、2時間以上滞在。次女の三奈さんの計らいにより二人きりで遺体と対面し「いろんな思い出を呼び起こしながら過ごした。今にも目を開けそうなくらい意思のあるように感じた」と話した。
松井さんは1992年のドラフト会議で、監督へ復帰したばかりの長嶋さんがくじを引き当て巨人へ入団。熱心な育成で球界を代表する強打者へ成長し、米大リーグでも活躍。「いろんな時間を過ごして、私は幸せ者だと思います」と思いを語った。