米フェルミ国立加速器研究所の実験装置(同研究所提供)

 【ワシントン共同】米フェルミ国立加速器研究所のチームは3日、素粒子の一種「ミュー粒子」の磁力を測定した結果、理論で予測される値と一致したと発表した。これまでの中間分析結果では値が一致せず、未知の素粒子の存在が指摘されていたが、今回の最終結果で、その兆候は確認できなかった。

 実験の名称は「ミューオンg―2実験」。ミュー粒子は電子と似た素粒子で、質量は電子の約200倍ある。2018年に始まった実験の中間結果では、素粒子の振る舞いを説明する「標準理論」に基づいて計算したミュー粒子の磁力の値と、実験の計測値に食い違いがあり、未知の素粒子が影響を与えた結果ではないかと注目を集めた。