「花笠舞踊団」の後輩たちと稽古する藤間松廣さん(中央)
 1970年、大阪万博の会場で花笠まつりの衣装に身を包む藤間松廣さん

 もう一度万博で花笠を―。14、15両日に大阪・関西万博会場で開かれる「東北絆まつり」に山形花笠まつりが登場する。1970年大阪万博でも披露され、現役の踊り手藤間松廣さん(68)は中学生だった当時、会場シンボル「太陽の塔」の下で演じた一人。「踊りで東北の元気を伝えたい」と今回も参加する予定で、半世紀ぶりの再演を心待ちにする。

 「ヤッショ、マカショ」。4月下旬、山形市内の一室にかけ声と軽快な音楽が流れる中、藤間さんが教え子を見守った。山形市出身で、小学生だった63年に花笠まつりが初開催されて以降、毎回欠かさず参加してきた。日本舞踊教室を開きながら、花笠の指導に当たっている。

 70年万博公式記録などによると、日本各地の祭りを紹介するイベントに花笠が出展。会場を盛り上げようと、県派遣団約400人が参加した。中学生の藤間さんは父親の転勤で兵庫県西宮市に暮らしており「私も踊りたい」と参加を即決した。

 赤を基調とした衣装を身に着け、独特な高揚感に包まれながら時間を忘れて踊った。