能動的サイバー防御導入に向けた政府の体制

 政府は、サイバー攻撃に先手を打って被害を防ぐ「能動的サイバー防御」の運用を監督する第三者機関「サイバー通信情報監理委員会」の来春設置に向け、7月にも準備室を新設する方針を固めた。サイバー防御の司令塔となる新組織「国家サイバー統括室」も同時期に発足する方向だ。6月中に閣議決定する。複数の政府関係者が7日明らかにした。

 政府は、サイバー施策を総括する「サイバーセキュリティ戦略本部」に関し、本部長を官房長官から首相に格上げし、全閣僚が参加する形に強化する。改組後の初会合を7月上旬に開催する予定で、能動的サイバー防御の2027年全面導入に向け、体制整備を本格化させる。

 情報監理委は、国家行政組織法3条に基づく独立性の高い「三条委員会」。裁判官経験者や情報通信技術の専門家ら計5人で構成され、国会同意を得て首相が任命する。政府による通信情報の監視や攻撃元の無害化措置が適正かどうかチェックする役割を担う。準備室は内閣官房に設け、監理委の制度設計やメンバーの人選を進める。