豊作を願う「虫おくり」が行われ、ろうそくの明かりがともった「丸山千枚田」=7日夕、三重県熊野市

 三重県熊野市の棚田「丸山千枚田」で7日、豊作を願う「虫おくり」が行われた。約1340枚の田んぼのあぜ道に置いたろうそくに火がともされ、山の斜面に幻想的な風景が広がった。

 虫おくりは農家の人たちがたいまつや太鼓、かねを持ってあぜ道を練り歩き、火と音で害虫を追い払う儀式。丸山千枚田では1950年ごろまで行われていた。2004年に近くを通る熊野古道が世界遺産に登録されたのを記念し、地域イベントとして復活した。

 午後7時ごろ、棚田近くの神社から住民らの行列が、子どもたちの「虫おくりどののお通りだい」のかけ声とともに出発した。